本屋に行かなくなった
大学生の頃は余暇に回せるお金もそんなに多くはないわけで、古本屋で本を買うのが楽しみだった。1冊 100 〜 200 円程度で気軽に購入できてなおかつ本を1冊読むのはそれなりに時間がかかるので、暇でお金のない大学生にはぴったりの娯楽だった。
古本屋の雰囲気とか、本棚を眺めてどれにしようか悩んでるまるで宝探しのような時間も楽しみの1つだった。
大学を卒業して社会人になると、金銭的余裕も出てくるので古本で買うことに固執しなくなる。もっぱら小説やラノベを買う時は電子書籍を選ぶようになった。Kindle のいい値段する端末を持っているし、置き場所に困らない、わざわざ外出せずとも読みたい時に1クリックですぐに読めるといいところ尽くしだ。
本屋に行かなくなった理由はもう1つある。品揃えの問題だ。ソフトウェアエンジニアリングの仕事をしているので、そういった分野の技術本が欲しくなるのだが、どの程度本が揃っているか本屋によってまちまちだ。
小さなスペースしかなくて『Java』の分類に『JavaScript 』の本が置いてあるところもあれば、広々としたスペースで品揃えも充実しているところもあるが、これは実際に足を運んで見るまでわからない。
後者の「広々としたスペースで品揃えも充実しているところ」は近所の本屋には存在しないので、足を運ぶのも少々億劫ではあるが、問題はそこへ行ってもお目当ての本が見当たらないときだ。骨折り損のくたびれ儲けとは、まさにこの状況のために作られた言葉であろう。
というわけで、最初からお目当ての本が決まっているのであれば、Amazon で購入するのが最善手となる。品揃えは実質無限だし。一度 Amazon で本を購入する快適さを体験すると、本屋へ向ける足が遠のいていく。
たまには大きな本屋へ行ってみたくなることがあるが、それはテーマパークに行くときのような感覚に近い。古本屋に通っていたあの頃の気持ちと変わらず、大量の本に囲まれている気持ちはワクワクを抑えきれない。フラフラと歩いて本を発見したときの快感は健在だ。
しかし、その本屋で気になった本を見つけても、レジに向かうことはほとんどない。だって電子書籍で買えないんだもん。